2020.01.08お正月に想うこと
「ワシは毎年正月には
山へ入ってサカキ取りに行ったりな
しめ縄作ったりしよったんや。
今でもできるはずや
家帰らせてくれへんか~」
「ここも長いことおったら飽いてもた(飽きてしまった)
家に帰ってゆっくりしたいんや」
毎年、盆・暮れ、正月になるとその方は同じことをおっしゃいます。
元来の頑固(←失礼!)な性格から
スタッフやご家族が自宅の環境や事情都合をご説明になって、
ご自宅での生活がどんなにか難しいとお話しされても一向に聞く耳を持たず・・・
しかし居室でお話を聞いているとだんだん
家に帰りたいと言われていたことも忘れ
とてもいい笑顔で私たちをを部屋から送り出してくれるのです。
そんな毎日が続き、今年もご自宅に帰ることなく
ここで新年を迎えられました。
それからは特段、いわゆる「帰宅願望」は聞かれていなかったのですが…
なんとなくあきらめたような
少しだけさみしそうな顔をスタッフは見逃していませんでした。
それは昨日の「新年祝賀会」でのこと。
今年の新ネタ(笑)花笠音頭で華やかに幕を開け・・・
伊藤施設長はじめ、「生粋の餅つき職人」Oさん達スタッフ
利用者さん有志による餅つきが始まったその時。
「〇〇さん、ついてくださいよ!」
そう、冒頭のお話をされていた方
予定はなかったのですがスタッフがお声をかけ急遽参戦頂きました。
すると、歩行が不安定なため普段は車いすで
ご本人も立ち上がることも少なかったのに…
「えぇっ?立ってやるんですか!?」
とスタッフ全員が驚く中すっと立ち上がり
まさに「昔取った杵柄」
力強く・・はありませんでしたが(^^;)
真剣な表情で、3回、4回と餅をついてくださいました。
終わって感想を聞くと「楽しかったけど、もう(体力が)あかんわ~」と言われ
スタッフと二人で大笑いしておられました。
私たちは介護職です。ですが、「介護」という言葉はあくまで方法であり
目的はその方の「生活」を支えること。
「生活」の中にはもちろんその方の思い、歴史、性格、といった「流れ」が存在します。
基本のキなのですが、やはり日々流れる毎日の中でどうしても
「業務」として捉えることも多く、やや目的を忘れそうになります。
新年には最高の「ご指導」をいただき
今年も1年、カトレア三木は「生活施設」として
頑張っていきたいな、と思いました!
新年早々長文となりましたが
今年も1年、皆さまよろしくお願いいたします!